資料 東京都が04年8月12日に発表した大気測定結果
平成15年度大気汚染状況の測定結果について
東京都及び八王子市が実施している大気汚染状況の常時監視の結果、自動車排出ガスの影響を強く受ける道路沿道に設置した測定局(以下、「自排局」)の浮遊粒子状物質(以下、「SPM」)による大気汚染が大幅に改善されました。
また、二酸化窒素、光化学オキシダント、ベンゼン以外の有害大気汚染物質の濃度については、全ての測定局で環境基準に適合しました。
詳細については、以下のとおりです。
平成15年度測定結果のポイント
1 SPM年平均濃度が低下、特に自排局は大幅に低下しました。
(1)年平均濃度
一般局(47局)の平均濃度 0.032(0.033)mg/立方メートル
自排局(35局)の平均濃度 0.039(0.043)mg/立方メートル
( )内は14年度の結果
(2)環境基準に適合した測定局の割合
一般局 47局中24局適合(51%、14年度は40%)
自排局 34局中 4局適合(12%、14年度は 0%)
SPMの低下の原因は、気象状況なども大きく作用しますが、継続的な減少傾向は、自動車
対策などの発生源対策の効果だと考えられます。
(図1参照)
2 二酸化窒素の環境基準に適合した測定局の割合は昨年を上回りました。
一般局 44局中43局適合(98%、14年度は93%)
自排局 34局中18局適合(53%、14年度は37%)
自排局での適合率が50%を上回ったのは現在の観測体制が整備されて(昭和50年代以
降)初めてのことです。
※「一般局」とは、住宅地域等に設置した測定局のことをいいます。
その他の結果
1 その他の物質の測定結果
(1)光化学オキシダント
・全ての測定局で環境基準に適合しませんでした。
(2)ベンゼン
・全ての一般局で環境基準に適合しました。
・自排局で環境基準に適合した測定局の割合は14年度と同様2局中1局でした。
(3)その他の項目は全ての測定局で環境基準に適合しました。
2 三宅島の噴煙による都内の二酸化硫黄濃度への影響
二酸化硫黄については、三宅島の噴煙の影響を考慮し、都内の測定結果の短期的評価(環境基準:1時間値0.1ppm)を行っています。
15年度は測定を行っている全局(一般局20局、自排局5局)で環境基準に適合しました。なお、14年度は一般局5局、自排局1局が基準に適合しませんでした。
SPMの測定結果から見たディーゼル車規制の検証
(1)大気汚染の改善状況を、環境基準値を超えた日数の減少で見ると、平成15年度は前年度に比べ約60%減少しました。(図2参照)
(2)都内で最もSPM濃度の高い環七通り松原橋測定局(大田区)において、平成15年度の年平均濃度が前年度に比べ約25%減少しました。(図3参照)
(3)ディーゼル車規制が開始された平成15年10月から16年3月までの半年間を、過去の同時期と比較すると顕著な改善が見られました。(図4参照)
〔資料〕
図1 自排局SPM年平均濃度の推移
SPM濃度の低下の原因は、気象状況なども大きく作用しますが、継続的な減少傾向は、自動車対策などの発生源対策の効果だと考えられます。
浮遊粒子状物質濃度(自排局)経年変化

図2 環境基準値(0.1mg/立方メートル)を超えた日数の低減傾向
SPMの環境基準は1日の平均濃度が0.1mg/立方メートル以下であることですが、ディーゼル車排出粒子の影響を受ける自動車排出ガス測定局では、環境基準値を超える日が減少し、特に15年度は大幅に減少しました。
1年間に環境基準を超えた日数(測定局1局あたりの日数)

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