希望を持ち がんばろう

中野・杉並原告 石井和子さん

 私は遺族原告の石井と申します。
 健康そのものであった夫を肺気腫で失いました。
 私は幸い健康に恵まれています。それだけに、病をおして、こうして座り込みをしていらっしゃる皆様がどれほど辛い思いをしていらっしゃるか、胸が痛みますと同時に、心から敬意を覚えます。
 東京都は、病気を限定し、さらに5年間で見直し、等と言っています。オリンピック開催に向けて年間一千億円積み立てをし、開催のためには5兆円かけて競技場、選手の宿泊施設をつくるそうです。壊された環境をさらに破壊しようというのです。当然道路もつくるでしょう。通行車両も増えるでしょう。そのしわ寄せは病人を増やすだけです。オリンピックを中止して、その何分の一でも医療費救済に回せないのでしょうか。怒りを覚えます。
 国は国で、弱者を救済するどころか私たちの血税を使い放題に使っています。何が「美しい国」なのでしょう。
 トヨタは空前の利益を上げ、いまや世界一の企業にのしあがってきました。「環境にやさしいトヨタ」をキャッチフレーズにしていますが、私は「環境に優しい、弱者に残酷なトヨタ」と呼び変えてほしいと思っています。
 聖書の言葉に、「苦難は忍耐を生み、忍耐は練達を生み、練達は希望を生む。希望は絶えることがない」とあります。12年間の苦難が、私たちに練達を教えて下さいました。つまり様々な知恵を与えてくれたのです。絶えることのない希望に向かって最後の勝利を確信しつつ頑張りましょう。
 無念の思いで亡くなられた109名の方々が、千の風になって私たちの周辺を吹き渡ってくれ、励ましてくださっています。お体をいといつつ、そして希望を持ち続けつつ頑張りましょう。

〒112-0002東京都文京区小石川5-33-7
マツモトビル2階
tel 03-5802-2366 /fax 03-5802-2377